今週のOverbit「Wednesday Worldview」エディションは、真の「グローバル」なアセットクラスの1つである仮想通貨をカバーすることから始めていきます。最初にビットコインを見てみると、過去数週間であまり変化がないことがわかります。BTC/USDは、7月半ばに未だ非常に低い価格変動を見せており、9000ドル付近にて引き続き変動しています。ETH/USDはビットコインの安定したプライスアクションと密接に結びついているようで、主に200ドル台半ばとなっています。

ビットコインとイーサリアムの両方におけるやや鈍い範囲に焦点を当てるのではなく、一度ズームアウトし、残りの仮想通貨市場の全体像を見ていきましょう。

今注目すべきなのは、ビットコインドミナンスチャートです。歴史的に、ビットコインのドミナンスが低下すると(ビットコインのドミナンスはビットコインの時価総額/仮想通貨の時価総額で表される)、リクイディティは下り坂に流れ、従来からアルトコインとして知られているものに入ります。小規模なプロジェクトに大量の資本が流入するため、そのようなプロジェクトは非常に不安定になり、信じられないほど劇的な価格変動(投資家にとって魅力的で非常にリスクの高い仮想通貨取引を行うこと)を見せる可能性があります。

ビットコインドミナンスチャートを見ると、2019年9月上旬にピークに達していたことがわかります。それ以来、ビットコインドミナンスは約13%低下しています。この期間中の一部のアルトコインをざっくり見てみると、「アルトシーズン」が続いていることは明らかです。いくつかの中小のキャップコイン、特にRENやCOMPなどのDeFiのコインは、過去数か月で数百パーセントの増加を示しています。これは小さなコインに限定されたものではありませんが、ATOM、LINK、XTZなどの主要な仮想通貨はすべて同様の利益を得ています。

通常どおり、ビットコインとビットコインドミナンスなどに関連した情報に注意を払ってください。とにもかくにも、ビットコインは依然として多くの要因の上でこの分野においてナンバーワンであり、今後も他のデジタル資産をリードし続けます。

従来の資産に移り、GBP/USDから見ていきます。このペアは2週間近くラリーを続けており、その間に約3.5%の増加が見られます。この記事の執筆時点で、GBP/USDは1.2670レベルで大幅なレジスタンスを示しています。ペアがどちらの方向に動くかを判断するにはまだ早すぎますが、イギリスのスターリングポンドが決断ポイントに近づいていることは明らかです。いつものように、基本的に言えば、GBP/USDペアが忙しい週に近づいているので、ニュースサイクルはそのように並んでいます。イギリスでは、投資家は雇用、インフレ、GDPに関する最新の数値を待ち望んでいます。国内情報に加えて、EU離脱前線でのさらなる交渉も期待されており、リーダーたちは今週ブリュッセルで会合を行うこととなっています。詳細に関しては、週の後半にこの会議にて公開されます。言うまでもなく、これらのイベントはどちらも、GBP/USDペアが決定的な動きをするのに十分すぎる燃料を提供するでしょう。

次にEUR/USDペアに移ります。GBPと同様に、ユーロもレジスタンスレベルに近づいており、今週はいくつかの潜在的な触媒が迫っています。今週の最も重要なイベントは木曜日で、欧州中央銀行(ECB)が金利決定を行う予定となっています。反対に、アメリカは火曜日にインフレデータを、金曜日に小売売上高を発表することになっています。最近のグリーンバックの乏しいパフォーマンスにより、多くのトレーダーがユーロに賭けていることは明らかです。FXEmpireは、「トレーダーの最新のコミットメントレポートはこの2年間で見たことがないほど高値に近いユーロの投機的なロングポジションを示した。」と報じています。しかし、これらのイベントのいずれかが市場に影響を与える様子が見られるのを待つ価値はあります。

今週取り上げる最後の市場はUSD/JPYです。これはすべての外国為替において2番目に取引されたペアであり、アジアの経済状況の全体的なベンチマークとなっています。この記事の執筆時点では、USD/JPYは107.00でレジスタンスレベルをクリアしています。このプライスアクションは、「コロナウイルスの悪影響に立ち向かうために新しい金融政策チームを率いる」清水誠一氏を任命する日銀の発表の直後に行われています。ポジティブな展開である一方で、金融市場の全体的なセンチメントは現時点ではリスクオンのようであり、火曜日のアメリカとヨーロッパの株価指数は数パーセントポイント上昇しています。現在の米ドルの低迷にもかかわらず、リスクオンセンチメントはJPYなどの安全な通貨の需要に悪影響を及ぼします。

結論として、市場を動かす一番目に見える要因は依然としてコロナウイルスであり、アメリカ全体で起こっている新たなロックダウンや政策には、他の多くの国もあとに続くことになります。これらのロックダウンは、製造およびサービス経済を枯渇させ、今後2~3年にわたり世界的に貧弱なGDPの成長を後押しし続ける可能性がありますが、中央銀行はこれを修正するために最善を尽くし、仮想通貨はこれを完全に回避するために最善を尽くします。